●古代ローマ人と社会の「ローマ人の物語」を読む

塩野七生さんが書いた「ローマ人の物語」(新潮社)を読みました。文庫版で43冊+ガイド本1冊で合計44冊の大著です。紀元前8世紀の古代ローマの誕生から5世紀の古代ローマの終焉(西ローマ帝国の終焉)とその後までの約1000年以上の期間の古代ローマの歴史物語が書かれています。

私は古代ローマの歴史を知りたかったのですが、学術本のような史実の厳密さは求めていない。かといってフィクションが多すぎる歴史小説を読みたいわけでは無いので、ちょうどその中間ぐらいの感じで書かれている「ローマ人の物語」は古代ローマの通史を知るためにはちょうど良かったのです。楽しく時間を忘れて読みました。


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●この本を読むと古代ローマ人が頭の中で動き出す。歴史を知ってるつもりで知らないことばかりだと痛感する。

私は高校の時に世界史を学んでいたので、最低限の古代ローマについての知識は持っていると思っていました。「ローマ人の物語」を読んだら、ようやくその当時生きていた人々が頭の中で動き出した感じがします。これまで、本当に表面的な歴史の字面しか知らなかったのだなーと思いました。

それもそのはず、高校の世界史の教科書を見てみたら、古代ローマ社会についてはわずか12ページしか書かれていません。その中に歴史上の人物やできごとが凝縮され表記されています。

たとえば、「ハンニバル」という名前は聞いたことがあるでしょう。しかしハンニバルが一体何をしてなぜ有名なのか。そして彼がしたことがローマ社会や地中海社会にどんな影響を与えたのかを知っている人は少ないでしょう。もちろん私も知らなかった。教科書にはわずかしか書かれていませんが、「ローマ人の物語」では3巻にわたって書かれています。

誰もが知っている「カエサル」でさえ、教科書には8行しか書かれていません。彼が言ったという「ルビコン川を渡る」という有名な言葉がありますが、どんな背景と状況でこの言葉が使われたかこの本を読んで初めて理解できました。

私は、最低限の世界史は知っているつもりでしたが、本当に「知っているつもりで知らないことばかりだ」と痛感しました。

●日本語で書かれた古代ローマの通史「ローマ人の物語」は日本の文化財と言ってもよい。

「ローマ人の物語」は塩野七生さんが1992年から15年間をかけて執筆した大作なのですが、毎年出版された時に読んでいたら15年間かかって少しずつ読むことになったはずです。今回はすでに全巻出版されていたので古代ローマの通史を一気に読むことができたのは贅沢でとてもラッキーでした。「ローマ人の物語」という古代ローマの通史の物語が日本語で存在しているのは日本の文化財と言ってもよいのではないでしょうか。読まないのはもったいないです。

塩野七生さんの著書には、「ローマ亡き後の地中海世界」「十字軍物語」「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年」といった古代や中世の地中海世界を舞台にした本があり、私は現在読みあさっています。頭の中で歴史物語が動き出す感じがとても楽しいです。どれも日本人にはあまりなじみの無い歴史のテーマだと思いますが、圧倒的にスケールが大きい話なので読んでみると楽しいと思います。





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