●衆議院選挙の投票率よりコロナワクチン接種率の方がはるかに高い不思議

首相官邸から、12月9日現在で1回以上の新型コロナワクチン接種者が1億人を超えて接種率で79.0%になったと発表されています。10月に行われた衆議院選挙の投票率が55.93%ですからワクチンの接種が本格的にスタートして半年あまりの間で衆議院選挙の投票率を超える接種率まで進んだわけです。

接種後に高熱が出たとか腕が腫れたという副反応が報道されているし、多数の接種後死亡の報告もあります。そのようなリスクがあるにもかかわらず、任意とされているワクチンを衆議院選挙の投票率を超える80%近い方が接種したわけです。法律的に接種を強要されたわけでは無いのに、どのような心理メカニズムで日本では80%近い接種率まで上がったのか、社会学者、心理学者、政治学者らが研究してほしいテーマではあります。

●3回目の接種が準備されているが、その前に知っておきたい心理法則

しかし、彼らの仕事を待っている間にも3回目の接種スタートの準備が始まっています。私はコロナワクチンの子供の接種はダメ(不要)と思っています大人の接種の選択については自由ですが、接種を選択する場合は、再度、短期長期のリスクの情報をしっかり集めて慎重に判断する必要があると思います。私自身は接種の予定はありませんので、接種する方を無理やり止めることはできないのですが、少なくとも他人に接種をお勧めすることはできません。

そこで、3回目を含めて今後接種検討をされる際に、知っておいたほうがよい心理法則についてご紹介します。

米国を代表する社会心理学者の一人であるロバート・B・チャルデーイニ「影響力の武器  なぜ人は動かされるのか」(誠心書房)という本があります。
影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ
誠信書房
2021-02-12


この本の中で、承認誘導の実践家が相手からイエスを引き出す戦術は大きく分けて6つのカテゴリーに分類されるとしています。

6つの法則とは「返報性」「一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」です。(著書の中では法則とは書かれていませんが、法則と書いたほうがわかりやすいので、この後は法則と書きます)


●説得のプロたちが利用しているテクニック

この本の中では説得のプロたちが、どのようにそれらの原理を利用して購買、寄付、譲歩、投票、同意を獲得する要請に仕上げいくのかを明らかにするとともに、個人がそれからどうやって身を守るかも示されています。

著者は購買、寄付、譲歩、投票、同意を引き出すためのテクニックとして利用してもらうためにこの本を書いたというより、学術的に心理法則を明らかにすることを目的に書いたと思います。

しかし、腕利きの広告・宣伝・マーケテイングの担当者であれば、たいていこの本は読んでいるはずです。著者の意図とは関係なく、実際にはこれらの法則を知って仕掛ける側の人や組織で活用されています。

この心理法則を知っていて仕掛ける側と、知らないで仕掛けられる側では情報の非対称性(情報の格差)があり、相手からイエスを引き出すという意味では、知っている側が圧倒的に有利と言えます。

今回の新型コロナワクチンの接種が80%近くまで進んだ過程でこの心理法則が利用された匂いがぷんぷんします。

誰がこの心理法則を利用したと特定できるわけではありません。また利用したとしても法律を超えていなければ法律上の問題があるわけではありません。

したがって、このような心理法則があり様々な場面で相手からイエスを引き出す局面で使用されている事を知った上で自分の選択していくことが大切だと思います。


●「一貫性」について。人は一度決めると「一貫性」を維持したがる

直近で3回目のワクチン接種が検討されていますが、自身が接種するかを決めるに当たり自分の中に住む「一貫性」の法則について意識したほうがよいです。

「影響力の武器」によれば、ほとんどの人には、自分の言葉、信念、態度、行為を一貫したものにしたい、あるいは他の人にそう見られたいという欲求があるとのことです。これは「一貫性」といいます。

この欲求は3つの要素によってもたらされるということです。

①一貫性を保つことによって、社会から高い評価を受ける。

②一貫性のある行為は、一般的に日常生活にとって有益である。

③一貫性を志向することで、複雑な現代生活をうまくすり抜ける貴重な簡易方略が得られる。すなわち、以前の決定と一貫性を保つことで、類似した状況に将来直面したときに、関連するすべての情報を処理する必要が少なくなり、以前の決定を思い出して、それに一貫するように反応しさえすれば良いことになる。

つまり、一度何かを選択したり発言したら、一貫して同じ選択や発言をその後も続けた方が、次に選択する際にあまり考え無くて済むし、周りや社会からの評価も高くなる

そのため一貫して同じ選択をしたり、そのまま一つの選択に固執してしまう心の動きがあるということです。一度決めたらその選択を続けるのが心の葛藤もなく簡単なのです。これはほとんどの人が思い当たるのではないでしょうか。


●2度打ったら3度目も打つのが心の葛藤が少ない?

接種が進んだ現在は副反応等のデータが出てきています。また接種しても感染することや、接種が進んだ国でも感染が収まっていないことが明らかになってきています。それを見て、1・2回目の接種を受けた人の中には、自分は本当に接種する必要があったのだろうかという疑問を抱く人もいるでしょう。実際に高熱等の副反応で苦しんだ方はなおさらでしょう。

しかし、疑問を抱いた方でも3回の接種がスタートすれば、再度接種をする人が多いのではないかと推測されます。なぜかと言うと、心の中での「一貫性」の法則が働くからです。
1・2回接種したのだから3回目も接種しようと考えたほうが、心理的な葛藤が少ないわけです。

3回目の接種を止めておくとすれば、1・2回目の接種を受けた自分の選択を否定する。あるいは3回目の接種を止めておくに足る新たな信念を作る必要があるわけです。これができる人もいるでしょうが、「一貫性」の法則から考えるとそんなに簡単な事ではありません。


●予診表に署名することで「自分が選択した」というコミットメントの心理が働く、これも一貫性を強化する

また、承認誘導の世界では、鍵となるのは、最初のコミットメントを確保することです。

コミットメント(自分の意見を言ったり、立場を明確にすること)をしてしまうと、人はそのコミットメントに合致した要請に同意しやすくなる。また、人はその決定に固執するようになる。というのです。


これで私が思いついたのは、「コロナワクチン接種の予診票」の記入です。この予診票の中に「接種を希望する」にレ点を入れて署名する欄があります。これに署名した時点で、ワクチンの接種にコミットメントしたわけですから、その決定に固執する心理傾向が働くのは不思議ではありません。

そして、人は自分がしたコミットメントについて、それが正しいということを示す新しい理由や正当性を付け加えることもあるのです。

たとえば副反応が激しいほどワクチンが効いているいう都市伝説のような勝手な思い込みや、みんなが接種したおかげで流行が収まったとか、私は周りの人のためにワクチンを接種した利他的な人物だとか後づけて理由を付け加えるということです。


予診表を本人が記入するということは、医学的な事前確認のためのものでありますが、コミットメントにより心理的な「一貫性」を強化する機能にもなっているとも言えます

このように、3度目のコロナワクチンを接種するかどうか決める場合に、心の中での「一貫性」の法則が働きやすい条件が揃っています。自分の心の中で「一貫性」の法則が働いていることを踏まえてどうするか慎重に検討した方がよさそうです。
6545645142
●一貫性を保とうとする心の傾向への対処法

もちろん、「影響力の武器」の本の中で、このケースの場合の対処法が記入されているわけではありませんが、一般的な対処法について述べられていますので、参考になります。

対処法の一つ目は「胃」から送られるサインを見逃さないことだそうです。胃などの体からの本能的ないやな感じ、変な感じというサインに敏感になれということです。

コロナワクチン接種については、発熱、痛み、腫れ、頭痛、全身倦怠.....等々さまざまな体からのサインが送られています。胃からのサインに敏感になるどころではなく、体は激しくサインを送っているようです。(激しい体からの警報があった人も3回目の接種をする選択をするのでしょうか。?)

対処法の二つ目は「心の奥底」からのサインに耳を傾けることだそうです。その方法として、「今知っていることはそのままにして時間を遡ることができたら、同じコミットメントをするだろうか」というやっかいな質問を自分に問いかける。そのとき、役に立つ答えをもたらしてくれるのは、最初に沸き上がってきた感情だ。ということだ。

コロナワクチン接種については、半年前に時間が遡ったとしたら自分はやはりワクチンを接種するだろうかという質問を自分に投げかけるということでしょう。「副反応やワクチンの効果の実態が徐々に明らかになって、新たに長期的な懸念の指摘もある現在の情報があるとすれば1回目の接種をはたして受けるのだろうか」ということです。

体からのサインや心の奥底からの声を聞きながら、「一貫性」の法則が心の中で働いていることを意識した上で3回目の接種については慎重に選択したほうがよさそうです。選択できないので、先延ばしして様子を見るのも有りだとおもいます。

2回接種したからといって3回接種するのが一貫しているということではないと思います。どうしても心の一貫性を維持したいとしたら、一つ抽象度を上げましょう。「新たな情報を踏まえて臨機応変に選択を変えられる自分」という一貫性を維持するのも一つの方法だと思います。




にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ
にほんブログ村
子育て情報ランキング

ツイッター
https://twitter.com/kubo8tooru