●新型コロナワクチン接種する理由第1位が「周りの人や家族に感染させたくないから」

2021年8月27日のNHKによるネットニュースに東京都で行われた若者向けの新型コロナワクチン接種会場に長蛇の列ができたとのニュースが掲載されていました。このニュース記事の中に先月中旬に東京都が行なった新型コロナワクチンに関する意識調査の結果が掲載されていました。都内に住む15歳から64歳までの男女1000人にインターネットで調査したものだそうです。

(NHKネットニュース記事2021年8月27日18時30分)

この調査によれば全体の85%が接種への意欲を持っているとのことです。
「必ず」または「おそらく」接種すると回答した人に複数回答で理由を尋ねたところ、理由の第1位は「周りの人や家族に感染させたくないから」で59.5%だったとのことです。

日本に住んでいる方は周囲の方や家族のことを考えて本当にいい人が多いのだなーと思うのと同時にある事を思いました。

でも新型コロナワクチンを接種すると周りの人や家族に感染させないって本当なんだっけ?

●新型コロナワクチンを接種すると「周りの人や家族に感染させないって本当なんだっけ?」

(東京都 新型コロナウイルス感染症対策(ワクチン)に関する意識調査の結果について 2021年8月26日)


(2021年8月26日東京都による意識調査から抜粋)
東京都調査3

東京都調査2

東京都調査1
ワクチン接種を受ける理由として6割の方が「周りの人や家族に感染させたくないから」を上げている。ということは少なくとも6割以上の方はワクチンを接種すれば、周りの人に感染させないことが期待できると思っているということになります。(7月中旬の調査なのでその後の新しい情報で多少認識が変わっているかもしれません)

でも、新型コロナワクチンを接種すれば周りの人に感染させないと期待できるというのは本当でしょうか。もしかしたら誤解かも。

●厚生労働省のサイトにはワクチン接種したら周りの人に感染させないとは書かれていない

そこで、厚生労働省の新型コロナワクチンについての特設サイトを見てみました。
(私が見落としている可能性もゼロではありませんが)新型コロナワクチン接種によって周りの人に感染させないことが期待できる旨の記述は見つかりません。



同じく厚生労働省サイトの新型コロナワクチンQ&Aを見てみると
Q「日本で接種が進められている新型コロナワクチンにはどのような効果(発症予防、持続期間)がありますか。にたいしてのA(アンサー)として次のように書かれています。

A.日本で接種が行われている新型コロナワクチンは、いずれも、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また重症化を予防する効果が期待されています。効果の持続期間や、感染を予防する効果についても、時間の経過や接種数の増加に伴い、研究が進んでいます。



厚生労働省のサイトによれば、新型コロナワクチン接種によって発症を予防する効果がある。また重症化を予防する効果が期待されている。効果の持続期間や感染を予防する効果については研究が進んでいる最中であるとしてます。

どこにも、周りの人に感染させないとか、それが期待できるとは書かれていません。

●米国疾病予防センター(CDC)はワクチン接種完了者であってもデルタ株に感染した場合には他者に拡散させるリスクを指摘している

アメリカの米国疾病予防センター(CDC)は2021年7月30日、新型コロナウイルスの変異株であるデルタ株について、ワクチン接種完了者であっても同株に感染した場合には他者に拡散させるリスクありと発表している。

つまり、変異株のデルタ株について、ワクチン接種していても他者に拡散させるリスクがあるということが報じられているわけです。

JETRO (日本貿易振興機構) 2021年8月2日 ビジネス短信


JIJI.COM  2021年8月1日


●ワクチン接種しても他の人に感染させないわけではない

厚生労働省のサイトに「ワクチン接種によって他人に感染させない。感染させないことが期待できる」との記述が無い事、アメリカCDCの発表でデルタ株について、ワクチン接種者であっても他者に感染させるリスクがあるという指摘を総合してみると、ワクチンを接種したからといって他人に感染させないわけではないということです。

※同時にワクチン接種が他人に感染させないことに効果が無いとか少ないとも書いてありませんので、効果が無いとか少ないとも断定されているわけではないです。

6割の方が「周りの人や家族に感染させたくないから」という気持ちで接種したいと考えているが、実際は接種しても他人に感染させないわけではないということになります。

●ワクチンを打てば他人に感染させないは都市伝説か。なぜ信じられているかは謎

ここで気になるのは、なぜ6割もの方がワクチンを接種したら他の人に感染を広げないと思っているかです。

「新型コロナワクチンを接種すれば周りの人や家族に感染させない」というのはデマとは言いませんが、今となっては都市伝説のようなものです。都市伝説と言っても本気でそう思って信じて疑わない人も多いような気もします。接種率をがむしゃらに上げようとしている地方自治体の長もその都市伝説を信じているかも。

それにしても、厚生労働省も公式に発表していない「他人に感染させない」という都市伝説が多数の人に信じられているのは謎です。なんとなくそう思っているのか、希望的にそう思っているのか。テレビに出るタレントやコメンテーターがなんとなく言っているのを聞いてそう思っているのか。政府がマスコミ等を通じて人々の意識を誘導したのかよくわかりません。社会心理学者に研究してもらいたいテーマです。

令和3年8月の首相官邸のパンフレットを見ると、「新型コロナワクチンは、感染を防止し収束に向かわせる切り札です」とか「あなたご自身のためでなく、医療機関の負担を減らすための重要な手段になります」と表現されています。ワクチン接種は自分のためだけではなく、他の人や社会のためにもなるといった印象を強調しているようです。このような政府の広報活動も多くの人の認識に影響しているかもしれません。

令和3年8月
(令和3年8月 政府官邸ホームページから)

●政府はワクチンの接種ををすすめるには都市伝説が広がっていた方が都合がよいのかな

しかし、短期的な副反応や長期的な健康へのリスクも指摘されている新型コロナワクチンの接種を本人が判断するにあたって、ワクチンを接種しても周りの人や家族に感染させないわけではないと、理解していることは必要なのではないでしょうか。ワクチンを打てば他の人にうつさないのだと本気で思っている人も多いでしょう。

自分がどうするかの判断だけでなく、「他の人にうつさないから」という理由で周囲の人に接種を勧めたり、子供に接種しようと考えている場合もあるでしょうから、なおさらです。

ワクチンを接種したら他の人にうつさないという都市伝説を信じている人が多いわけですから、本来であれば政府は、「ワクチンを打ったからといって他人に感染させないわけではない」としっかり広報すべきと思います。政府はワクチンの健康についての懸念についての指摘はデマとして潰すことにやっきになっているようですが、「ワクチンを打ったら他人に感染させない」という都市伝説を解くのには特に興味は無いようで、広報に積極的ではなさそうです。

「ワクチンを打てば他人に感染させない」という都市伝説がどうやって広がったかは謎ですが、政府としては国民へのワクチン接種を推奨して、ワクチン接種の政策を進めているわけですから、肯定も否定もしないでワクチン接種が進むまでやり過ごしておこうということかもしれません。その方がワクチン接種を推進するには都合がよいということかもしれません。

「他の人や家族にうつしたくない」という利他的な心で接種を選択する人が多いと思います。しかし今回主に使用されているmRNAワクチンはまだまだ分からないことが多いワクチンで接種によるリスクもあります。世界の歴史を振り返ると、権力者は人々の利他心を巧みに利用することがあります。それも頭に入れながら接種の判断をすることも必要だと思います。


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