●2020年4月にいわゆる親の体罰を禁止する法律が施行された

2020年4月に施行された児童虐待の防止等に関するに法律が施行され、「親の体罰禁止」が明確に法律に明記されました。法律の内容および解説は以下のとおりです。

●児童虐待の防止等に関する法律(太字部分が今回の改正箇所)

14条1項
児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。

Save the Chiidren  セーブ・ザ・チルドレンのサイトからこちらの法改正についての解説を引用します。

(引用開始)

【解説】
児童虐待防止法14条は、親権者※1が対象です。親権者が子どもをしつけるとき、次の2つの行為をしてはいけません、と書かれています。

・体罰をすること
 親はしつけのために体罰をしてはいけない、と明記されました。
・民法の820条に書いてある監護と教育に必要な範囲を超えるような行為。民法820条は、親権者が子   どもの利益のために監護及び教育を行う権利を、また民法822条ではその監護と教育に必要な範囲の中  
で子を懲戒すること(懲戒権)を認めています。今回の改正では、子どもの監護と教育に必要な範囲を超えるような行為(懲戒権が認められる範囲を超えた行為)もしてはいけない、となりました。

(引用終了)


親が体罰をすることの禁止。親がしつけのために体罰をしてはいけない。ということが法律上明記されたということです。

簡単に言うと、「親は子供に体罰してはいけない」ということです。

●法律施行後の調査では体罰を容認する大人が6割から4割に減った(.....でも多い)

具体的にどのようなケースが体罰に該当するかは厚生労働省のバンフレットにまとまっています。


・厚生労働省のパンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/pamphlet.pdf

2020年4月に法律が施行されてからおよそ1年たって、2020年3月に、「Save the Children」が子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果を発表しました。

前回調査の2017年7月から約3年経って、日本において体罰についての意識や実態がどのように変化したかを知ることができます。

・プレス発表された要約内容はこちら


Save the Children
子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書 詳細の内容はこちら
https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/php_report202103.pdf

この調査によれば、2017年から2021年で、体罰を容認する大人が約6割から約4割に減ったという

私は体罰はダメと思っていますが、その当時、2017年の調査結果を見て、日本人の約6割が体罰を容認していることにとても驚きました。また2020年の4月の体罰防止法の施行について、ネット上では多数の反対意見が表明されていたことにも驚きました。

日本人の過半数が体罰を容認していることはとても信じられなかったのです。

2021年の調査では4割まで減ったという。4割でもとても多いと思うのですが、4年間で2割の人が容認しないに考えを変えたというのは、かなり大きいことです。

体罰容認している人の割合が減少したのは、法律を施行して、厚生労働省やSave the Childrenなど様々な団体が啓蒙活動を行ってきたことが一定の効果を発揮しているのだと思われます。

啓蒙活動も重要なのですが、法律が施行されて体罰が禁止されるというのは、人々の考えを変容させることに重大な影響を持っていることがわかります。

しかし、依然として4割の人が体罰を容認しているというのは、まだまだ改善の余地は大きいと思います。もちろん、啓蒙活動や社会の意識の変化で、体罰容認する人は今後も減っていくでしょう。しかし改善のスピードを上げていくためには、学校の教育の中に組み込んでいくことが必要なのではないでしょうか。

●「親が子への体罰をしてはいけない」法律がある事を学校で教育すべきでは

文部科学省は、学校・教育委員会での対応についての手引きも作り、子供の虐待防止についての取り組みを実施している。

・学校・教育委員会向け虐待対応の手引き 文部科学省 令和2年6月改定版
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/__icsFiles/afieldfile/2020/01/28/20200128_mxt_kouhou02_01.pdf

手引きの内容を読んでみると、重大な虐待が疑われる場合に、それを発見し関係各署と連携しながら、いかに対応していくかということに力点が置かれているようです。

もちろん、これはこれで対応していく必要があることだと思います。

一方、学校は「親はしつけのために体罰をしてはいけない」という法律に明記された話をそもそも知らない親に伝えたり、子供に教育する必要があるのではないかと思うのです。

厚生労働省のパンフレットによれば、体罰として次の事例があげられています。

・言葉で3回注意したけれど言うことを聞かないので、頬をたたいた。
・大切なものをいたずらしたので、長時間正座させた
・友達をなぐってケガをさせたので、同じように子供を殴った
・他人の物を取ったので、お尻を叩いた
・宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった

これを読むと「頬をたたく、お尻をたたく」と行ったことも体罰に当たり、法律で禁止されることの範疇であることがわかります。
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●体罰は法律で禁止されているとそもそも知らない親や子供に誰が伝えるのか


しかし、体罰をしている親そして体罰をされている子供が、それはしてはいけないことだという事を知っているかどうかは疑問です。そもそも知らない人も多いと思います。

子供が悪いことをしたらその都度、頬やお尻を叩いてしつけた方がよいと思っている人も多いわけです。そうすることで私は厳しく立派に子供のしつけをしている親だと思っている人もいるでしょう。

体罰は、罰則規定があるかはともかくとして、法律に明記されている禁止事項に当たるという認識をそもそも持っていない。そもそも知らないというわけです。これは親が知らないわけですから、子供は他の誰かが教えてあげなければ当然知らないわけです。

そもそも、体罰はしてはいけないということを認識していない親や、体罰はしてはいけないと法律に明記されていることを知らない子供に、どうやってそれを伝えていくかということが課題なわけです。

●施行された法律を伝えるために学校ができる役割は大きいと思う

もちろん、現在でも実施しているような諸団体の啓蒙活動は効果があるわけですが、やはり子供やその親と接点が多く、なおかつ教育という役割を担っている学校が子供やその親に知らせたり、教育していくことは効果が大きいでしょう。

子どものしつけのために体罰を用いることを4割の人が容認している日本社会ですから、軽微なものを含めると、家庭内での体罰はありふれているわけです。それについて学校や教師がすべて取り上げて対処することは無理があります。ただでさえ多忙な学校の先生が、あまりに対処しなくてはならない件数が増え過ぎて収集がつかなくなり授業どころではなくなってしまいます。

したがって、学校の現場では重大な虐待が懸念されるケースに絞って対応していくということが現実的なことなのでしょう。

しかし、啓蒙、教育活動として学校が担える役割は大きいと思います。

たとえば、授業の時間の中で、親が子に対してしつけと称した体罰が法律で禁止されていることを子供に教えることはできるでしょう。道徳を子供に考えさせるより法律を教える方が先でしょう。

また、学校が親に面と向かって教育することは難しいと思いますが、厚生労働省が作成した「体罰等によらない子育てを広げよう」のパンフレットやその抜粋を家庭に配布することはできるでしょう。
これは、学校ごとの個別の取り組みというよりも、関係省庁で連携してぜひ進めていくべきことでしょう。

●学校の先生自身が自分の口で「体罰はダメ」と話すことの意義は大きい。

学校教育法第11条で教師が生徒に体罰をすることは禁止されています

私の子供の頃は体罰をする教師はありふれていてたくさんいました。現在はその当時と比べれば、体罰や暴力を振るう教師は減っているわけですが、それでも未だに学校内や部活において教師による生徒への体罰は発生しています。学校での体罰は法律に明記されたとおり、絶対にダメなわけです。

しかし、教師が生徒に体罰をすることを容認していたり、黙認していたり、自分の感情をおさえられなくなってしまう教師が現在でもいるわけです。

そのような教師が学校の授業で、「親は子供に体罰をしてはいけない」と話をすることはとても重要なことだと思います。体罰をしてはいけないと先生が生徒に話し、教育するということは、教師自身も生徒に体罰をしにくくなるわけです。

言葉にすることの意義は大きいわけです。

私は子供に体罰はしませんが、自分自身もこうやって文字にすることで自分の子供に絶対に体罰はしないと改めて思いますからね。





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