●知って驚いた。作家佐藤優氏は15歳の時に東欧ソ連を一人旅していた

作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は多数の著書を出版されています。子育てや教育に関する著書も出版されており、とても勉強になるのでよく読ませていただいていました。先日、アマゾンで佐藤優氏の本を検索していましたら、幼少の時から中学高校時代の自伝が出版されていたので購入して読みました。

・幼少から中学時代までの自伝が「先生と私」(幻冬舎文庫)

・高校1年生の時に東欧とソ連を一人旅した旅行記的自伝が「十五の夏(上・下)」(幻冬舎文庫)

3冊とも実に面白い本で、佐藤優氏の学生時代を追体験しているような感覚になります。同時に佐藤優氏の多彩で深い知識と見識の原点がここにあったのか納得しました。

●「先生と私」幼少から中学までの自伝。親以外の大人との出会い

幼少から中学時代の自伝「先生と私」ですが、中学時代のことが中心に述べられています。高校受験のために通っていた塾での出来事を中心に、塾で出合った先生方との交流が佐藤優氏のその後の人生に大きな影響を与えていく様子を伺い知ることができます。

佐藤氏が通った塾には知の強者(つわもの)の先生が集まっていたようで
先生方は、単に受験技術を教えるだけでなく、学問の面白さを伝授していったようです。

佐藤優氏の中学時代で驚くことは、佐藤氏は知の強者の先生方と「対等」にわたりあっていたように思えることです。

「対等」という言葉が適切かわかりませんが、単に教える側と教わる側という関係を超えた知のつながりといったものが感じられるのです。教えている先生も佐藤氏を生徒先生という関係を超えて尊重していたことが伺えるのです。

自分が中学時代に何を考えていたかを思い出してみると、佐藤優氏は、中学生離れした難解なことや抽象度の高いことを考えていたんだなーと率直に思います。そして、そういった思考を深めていく時に、塾の先生との出会いはとても大きな意味をもっていたことがよくわかります。

佐藤優氏の場合は、塾での大人との出会いがその後の人生を大きく変えていくわけですが、人によっては、それが学校の先生だったり、スポーツや音楽のコーチなのかもしれません。中学時代に親以外のどんな大人と出会うかということはとても大切だよなと改めて思います
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●「十五の夏」高校時代の自伝

「十五の夏(上・下)」は上下巻合わせると1000ページを超える大著です。埼玉県内有数の進学校浦和高校に合格した佐藤優氏が、合格のご褒美として親に費用を負担してもらって高校1年生の夏休みに、ベルリンの壁崩壊前で社会主義体制下の東欧諸国とソ連を一人旅した時の旅行記です。

佐藤優氏は1960年生まれということですから、1975年前後のことです。1975年前後ということは、まだ米ソ冷戦下の時代です。
この時代に高校一年生が東欧諸国、ソ連を一人旅しようと考えたこと自体が驚きですし、実際に行ってきた事もとても驚きです。

米ソ冷戦が終わって久しい2020年の現在、大人でも一人で東欧、ロシアを旅行するとしたらしり込みする人が多いのではないでしょうか。

旅行の様子やそこで出会った人や考えたことが詳細に書かれていますので、佐藤優氏の並外れた記憶力に驚きます。とても詳細に書かれているので、なんだか自分自身が10代に戻って旅行しているような
感覚になりました。ルーマニアからソ連行きの電車に乗れなかったシーンはどうなってしまうんだろーと自分の事のようにドキドキでした。

はるばる日本から来た15歳の若者がめずらしいということもあるかもしれませんが東欧やソ連の旅行先で佐藤優氏が出会った人たちはとても親切な人が多かったように思えます。

この旅行を通じて、佐藤優氏の世界についての認識は大きく広がったのでしょうし、世界中どこに行っても何とかなるといった確信を持ったのではないでしょうか。

自分自身の高校時代は、学校の勉強や受験、部活動という身近な世界の出来事に取り囲まれて暮らしていたので、東欧やソ連に旅行しようなんてこれっぽっちも考えませんでした。高校時代に世界のどこでも旅行にでかければその後の人生に大きな影響を与える事は容易に想像できます。

高校時代に世界のどこかに1人で旅をする経験をできるのであれば、しておくことはとても意義があると思います。
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●佐藤優氏のご両親の度量の大きさと視点の高さを感じる


3冊の本を通じて、佐藤優氏のご両親の存在はやはり大きいと思いました。東欧やソ連に高校1年生の息子が一人旅することを許可して費用を出すことはなかなかできることではありません。

お父様は銀行に電気技師として勤務されていたそうですが、団地にお住まいだったということなので、塾や旅行の費用を捻出することはできたようですが、特に裕福というわけでもなく、その当時の一般的な経済力のご家庭だったようです。

そのような一般的なご家庭なお子さんが東欧、ソ連に旅するのを許可したのは、やはり子供の教育に熱心なご両親だったのでしょう。しかも上手なお金の使い方に思えます。

教育に熱心といっても、単にブランド大学に入学させたいというわけではなく、世界や世の中に対して相当の高い視点をもっていらっしゃって大きな視点で子供の成長を見守っていたという印象を受けます。

大きな視点で子供の成長を見守ることができたのは、ご両親が若い頃に戦争を経験していて、思うところがあったようにうかがえます。

●中学高校時代にどんな大人と出会うかは重要だし、親としては子供の認識する世界を広げていけるような存在でありたい

中学高校時代に、受験勉強とか部活動とか自分の身の回りの世界のことに熱中するのは悪いことではありません。一方、佐藤優氏のように、外国に旅行して自分の視点や認識を広げるような経験をすることもとても素敵なことに思えます。

子供にとって、さまざまなきっかけはありますが自分の知らない世界や学問の領域に興味を広げていくのは親が認識している世界の大きさや、めぐりあった大人の影響はやはり大きいのでしょう。

自分自身は、中学高校時代に戻ることはできませんが
親としては子供の認識する世界を広げていけるような存在でありたいと思います。そんなことを考えさせられる自伝でした。


先生と私 (幻冬舎文庫)
佐藤 優
幻冬舎
2016-04-12


十五の夏 上 (幻冬舎文庫)
佐藤 優
幻冬舎
2020-08-06


十五の夏 下 (幻冬舎文庫)
佐藤 優
幻冬舎
2020-08-06



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