●現状のままと9月新学期。
どちらが小中学校のカリキュラムを消化しやすいかという視点


9月入学・9月新学期が話題になっています。
それについて、賛成と反対の意見がありますが大きくまとめると論点が5つあると思います。

①現在の学生の1年間のカリキュラムを消化するにはどちらがよいか。
②変更した場合の社会への影響
③未就学児の就学に関する問題と対応
④現時点での実現可能性。今やるべきかということ
⑤そもそも日本が9月入学に変更する必要があるかどうか

②~⑤は、国民の多様な意見を加味しながら最終的には国会と政治が判断していく領域だと思います。

①も、制度としては政治が判断する問題なのですが、
どちらがカリキュラムを消化しやすいかという定量的に考えやすい問題です。
そのため図にして考えてみたいと思います。

小中学校の義務教育の話に絞ります。
ここで言うカリキュラムとは、修学旅行、運動会、学芸会、部活の大会、プール授業等のイベントや他に代替え可能なものは除いた中核となるカリキュラムのことです。

1. 現在の4月入学のままの場合
 
 ・1年間で1年分のカリキュラムを実施
  (12カ月分を12カ月間で実施)

現在のまま
 図をクリックするとより鮮明に見えます
この場合はどうなのか。
①休校期間のカリキュラムを残りの期間で実施する必要がある。
そのため、1日の授業時間延長、土曜日や夏休みの授業への振替等の対応が必要となる。
②もともと12カ月間で実施する前提のカリキュラムであるので、
休校期間が長くなるほど消化が厳しくなる。

2. 今年の9月で「9月入学9月新学期」に変更した場合。

・今年9月~来年8月の1年間で1年分のカリキュラムを実施。
(この場合は12カ月分のカリキュラムを12カ月で実施)
 ・今年の4月~8月の5カ月間が空白期間が発生する。
(位置づけがはっきりしない期間ということになる。)
今年9月移行
この場合はどうなるか。
①今年9月までに準備期間を作ることができる
②今年4月~8月の空白期間をどう扱うかの問題がある。

・すでに実施済のカリキュラムを9月から重複して実施するのか
・空白期間5月間も含めて17か月間で1年分のカリキュラムを実施するのか
・単純に準備期間にするのか

3. 来年の9月で「9月入学9月新学期」に変更した場合。

・今年4月~来年8月の1年5カ月間で1年分のカリキュラムを実施。

(この場合は17カ月分のカリキュラムを12カ月で実施)

来年9月移行

 この場合はどうなるか。
①17か月間の間に1年分のカリキュラムを実施すればよいので、12カ月間で
実施するより調整が効きやすい。

②空白期間が発生しない

●現状のままと9月入学変更を比較すると

以上の3つのケースを比較してみると、
すでに休校期間が1~2か月程度発生している。
今後も休校期間が発生する可能性を考えると、
12カ月分のカリキュラムを1年間で実施するのと、
1年5カ月間で実施するのでは
1年5カ月間で実施したほうが、消化しやすい。日程の調整がつきやすい。


これは教育関係者でなくても、単純にそう思うのではないでしょうか。

たとえば、ビルや橋の建設にしても、商品の納期についても、期間が長い方が
準備対応しやすいのは当たり前だ。
ビルを1年で建てて欲しいと言われるのと、1年半で建てて欲しいと言われるのでは
期間が長い方が対応しやすいだろう。

とても単純に9月入学・9月新学期に変更したほうが、対応期間が長くなるので
今年1年分のカリキュラムは消化しやすい。誰でもわかるのでは。


●このままいくと、責任の所在がうやむやなままで多くの地域で学びの欠落がおこるのでは

現在の休校の状況を見ると、今年の4月~来年の3月の1年間でカリキュラムを消化するのは
多くの地域で無理があるのではないだろうか。


ビルや橋であれば、出来上がらなければ誰が見てもわかる。
でも、子供の学習が欠落しているかはそこまではっきり見えない。

学びの欠落や、学力の低下が起こったとしてもその責任が誰にあるのかもはっきりしない
政府か、政治家か、文部科学省なのか、知事なのか、教育委員会か、学校、
責任の所在もはっきりしないから、まずいまずいといいつつ、そのままうやむやに
なってしまうのだろう。

のままで進めていくと、やはりそうなってしまう恐れが高いのではないでしょうか。

●もう一つの方法4月入学は変更なし。
カリキュラム終了しない見込み地域と生徒は翌年再履修


最後に、もう一つの方法。
カリキュラムを消化するという意味ではこの方法もしやすいと思われる。
・4月入学制度は変更なし。
・1年間でカリキュラムを終了できた地域や生徒はそのまま進級。
・1年間でカリキュラムを終了できない見込みの地域や生徒は留年して翌年に再履

2年間
図をクリックするとより鮮明に見えます
この場合は、
①コロナウイルスの影響少なく、1年間でカリキュラムを終了できる地域はそのまま進級すればよい。
②休校期間が長くなり、1年間でカリキュラを終了できないことが見込まれる
地域は留年して2021年に再履修するのでカリキュラムの消化はしやすい。

③進級、留年は本人の希望や学習の習得状況なども含めて柔軟な対応が必要
④学年揃って留年した場合は、次の新入生が入学してくると
学校の施設や教師がその学校で不足。
逆に入学してこないと余るので対策が必要。
また生徒の人数についても同様。

⑤社会的な影響は比較的少ない

カリキュラムを消化することを考えると9月入学でなくとも、
この方法はあり得ると思います。

冒頭で述べたとおり、今回は現在の学生がカリキュラムを消化するのにどの方法が
やり易いかに絞って考えてみました。



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