人類史の大半で最大の脅威は感染症だった

2020年4月現在。世界中で新型コロナウィルスの感染が猛威をふるっている。

スティーブン・ピンガー氏の「21世紀の啓蒙」を読み返してみたら人類の感染症との闘いについての記述があった。

21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩
ピンカー,スティーブン
草思社
2019-12-18


現代の先進国で暮らしていると今回のような新型コロナウィルスの蔓延という事態が起こって改めて意識することだが人類史の大半において、最大の脅威は感染症だったという。

(引用開始)
人類史の大半において、最大の脅威は感染症だった。質の悪い進化とでもいいたくなるが、微小で増殖率が高く、進化も早い生物が宿主の体を食い物にし、昆虫や他の微生物、宿主の分泌物や排泄物などを利用して体から体へと乗り移っていく。
伝染病ともなると何百万という単位で人命を奪い、文明をまるごと消滅させたり、ある地域の人口を激減させたりしてきた。

(引用終了)

感染症で命を落とす可能性は、富豪や権力者も同様であった。なにしろ、感染症が目に見えない、細菌やウィルスが原因になっているとわかったのも人類の文明の中では最近のことだ。18世紀前半までは、医師が手を洗ったり、医療器具を消毒する習慣が無かったため医師自身が感染の元凶になっていたらしい。

人類の感染症との闘いの形勢が変わりだしたのは18世紀末になってから

感染症に翻弄されてきた人類の歴史の形勢がようやく変わりだしたのは18世紀末からだ。

(引用開始)
18世紀末のワクチンの発明をきっかけに、また細菌学の進展に後押しされて、闘いの形勢が変わりはじめた。手洗いの習慣、助産術、蚊の駆除、とりわけ公共下水道の整備と塩素殺菌による飲料水の保護に力を入れたことで、何十億人もの命が救われることになった。
(引用終了)

現代の先進国で暮らしていると、つい最近まで感染症に人類がやられっぱなしだったことを忘れてしまいがちだ。それと同じように忘れてしまいがちなのが、このような人類の医学の発展に寄与した人物だという。
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医学の進歩に貢献した偉人はなぜか忘れられやすい

子供向けの伝記に出てくる、医学者や医学の研究者で有名な人と言えば。日本であれば、野口英人さん、北里柴三郎さんが思いつくかもしれない。世界では、エドワード・ジェンナー、ルイ・パスツール。とかが思いつくかもしれない。でも、なにをした人か、どんな病気の克服に貢献したのかを正確に説明できる人は意外と少ないのでは。


でも、偉大な科学者は人類の命を救うことに多大な貢献をしています。ピンカー氏は、このような方を例をあげている。

発見と救われた人命は次のとおりです。

・カール・ラントシュタイナー (発明・発見)ABO式の血液型 (救われた命)10億人
・アベル・ウォルマンとリン・エンスロー(発明・発見)水道水の塩素処理(救われた命)1億7700万人
・ウィリアム・フォージ(発明・発見)天然痘撲滅戦略 (救われた命)1億3100万人
・モーリス・ハイルマン(発明・発見)八種類のワクチン (救われた命)1億2900万人
・ジョン・エンダース(発明・発見)風疹ワクチン (救われた命)1億2000万人
・ハワード・フローリー(発明・発見)ペニシリン (救われた命)8200万人
・ガストン・ラモン(発明・発見)ジフテリアと破傷風のワクチン (救われた命)6000万人

ものすごい人数の命が救われている。そして、ここに名前の挙がっている方以外のたくさんの科学者や医学者が様々な発見や進歩に携わっている。

しかし、これだけの偉大な功績を残している科学者であるが、なぜか名前を聞いただけではピンとこなかったりする。

徳川家康。坂本竜馬。ナポレオン。リンカーン。ベートーベン。ピカソ。歴史上の人物で有名な人に比べると、偉大な功績を残している割になじみが薄い。

なぜかと考えてみると、これらの科学者や医学者が残してくれた功績は現代ではあまりに当たり前になってしまったり、病気としてほぼ克服されてしまったりしているからでしょう。

輸血の際に血液型が重要なこと。塩素で処理された水道水を使う事は現代では意識しないほど当たり前のことになっている。人類を苦しめた天然痘も、根絶宣言されるに至っている。それがどんなに危険な病気であったかを臨場感を持って知っている人は少ないでしょう。

そういった事情で、偉大な科学者、医学者が我々の意識に上ることがすくないのでしょう。
でも、人類史に偉大な足跡を残していることは間違いありません。

コロナウイルスの感染が広がり、感染症の脅威を多くの人が感じているこういう時こそ、過去の医学の偉人の功績を思い出すよい機会かもしれません。

過去の偉大の科学者の功績を見ると、遅かれ早かれ、現在の新型コロナウィルスに対処したり、折り合いをつけて暮らしていく方法を科学者が発見するのだろうと思えてきます。

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