●学校の「前へならえ。右向け右」に疑問を感じることがありますか

「前へならえ。右向け右」とか「回れ右。休め。きをつけ。」という号令に従って、学校で子供たちが一斉にそれに従う。私たちが子供の頃の何十年か前には普通にどこの学校でも行われていた。

その後、なにか変化があったわけでもなく、現在でも多くの小学校や中学校で普通に行われている。統計は見当たらないので正確に何割の学校かはわからない。小3の息子が通っている公立の小学校でも行われている。

確かに、順番に並んだ方が電車に乗るときとか、トイレの順番を待つ時とかは便利だ。しかし、こういう時は順番に並んだ方がよいね。と言語や論理で教えたら十分な事で、繰り返し訓練する必要はないでしょう。


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●「前へならへ。右向け右」がなぜ日本に残っているのか

「前へならえ。右向け右」といった号令に従って一斉に動くという教育が日本で実施されたのは明治以降の富国強兵の国家づくりの一環。強く統率の取れた軍隊づくりと兵隊の育成という目的にそって行われたのは明らかでしょう。

戦後の日本の社会では、統率のとれた兵隊を多数育成する必要がなくなったわけですが、学校教育の中でそのまま現在まで残っているのは、なぜでしょう。

大きくわけると理由は3つ考えられます。

①産業界の要請
戦後の復興と高度経済成長の過程で、大量生産と均質的な業務遂行に適した人材が必要とされた。
簡単に言ったら、「前へならへ」と言われたらそれに従って、つべこべ言わず、あまり深く考えずに言われたとおりに動ける人を産業界が必要としたということでしょう。
変化が必要と言われる割には、産業界の要請は現在に至ってもあまり変化がないとも言えるでしょう。

②学校の運営管理がしやすいこと。生徒を統率することの自己目的化
戦後「前へならへ。右向け右」といった号令で一斉に動く教育は学校で温存された。1クラスに生徒が50人とか1学年に10クラスとか生徒の人数が非常に多かった高度経済成長の時代には、多少強引でも号令に従わせないと授業の運営ができないという実務的な都合もあったのでしょう。
その後、生徒数が少ない時代になっても、変わらずに現在に至っているわけです。

単純に先生の号令に従うことにしておいた方が学校運営がしやすい
ということなのでしょう。
また、号令に従わせることができる、生徒を統率することがてきる先生が立派だといった具合に
生徒を統率すること自体が組織の自己目的化してしまっている部分もあるでしょう。

③多くの大人がそれがおかしいことだと思っていない

多くの大人が「前へならえ。回れ右」をやっている学校を見てもおかしなことをしているとは思わないでしょう。むしろ、良い事と思っている人も多いかもしれません。

組体操実施の是非はいろんなところで取り上げられますが、「前ならえ。回れ右」の是非について取り上げられた話は耳にしません。
学校の先生も毎日のことなので、当たり前のことになっているでしょう。中学生になると、一部の生徒はおかしいなーと思うかもしれませんが、小学生だと先生が言っていることがおかしいとはたいてい思わないでしょう。

どうも、日本の中ではほとんどの人が「前へならへ。右向け右」をおかしなことだと思っていないのです
むしろ、「おかしい」と声をあげる人の方が変人とか言われかねません。

●民主主義国家なのにそれに疑問を持たない不思議

でも、よく考えてみていただきたいのですが、子供たちが先生の号令で一斉に同じ方向に向いたり、動いたりするのはどこかの独裁国家で見られるような風景ではないでしょうか。

まがりなりにも、民主主義国家ということになっている日本において、多くの人がそれに疑問を持たないことは実は不思議なことなのです

苫米地英人博士の「脱・洗脳教育論」名著復刊コレクション02の中の特別付録には次のように記載されています。

(引用開始)
小学校、中学校で朝礼があり、クラスごとに整列し、子どもたちは見事な隊列を作り、「前へならえ」「右向け右」といった号令がかかると、それに従って動く。自由主義の国々の人たちが見たら腰を抜かすような、まるでここは北朝鮮かと見違えるほどの光景がほぼすべての学校で繰り広げられている。

(引用終了)

自由主義の国の人たちが見たら腰を抜かすようなことらしいのですが、その中にいる人は意外とそのことに気が付かないということでしょう。
苫米地博士以外にも、前へならえをやっている学校に疑問を呈している著名人もいるのですが、外からみるとやはりそう見えるのでしょう。

(上記中略して続き引用開始)
日本はそろそろ、北朝鮮化するのはやめるべきときにきているのではないだろうか。いや、そのときはもうとうの昔にやってきているのだが、為政者たちの意向でなかなかやめられないのが現状なのだろう。
何度も言うように、為政者にとって「儒教」は非常に都合がよい。無批判に「儒教」を受けていれる国民が増えれば増えるほど、権力体制は安泰ということになる。

(中略)
儒教教育に洗脳された人たちは、「前へならへ」「右むけ右」と言われたら、反射的に従ってしまうのである。

(引用終了)

「前へならえ」「右むけ右」の教育を小学校、中学校で繰り返すことで、社会でも、組織でも権力者に指示されると反射的に従ってしまうほど日本人に体内化されているというわけです。

●「前へならえ」「右むけ右」を繰り返す教育の何が問題か

「前へならえ」「右むけ右」を繰り返す教育の何が問題かというと、

①そもそも民主主義ということになっている国において、権力者に指示されると反射的に従ってしまう可能性が懸念されるような教育を続けていてよいものか。ということ

②「前へならえ」的な教育を温存したまま、「グローバルで活躍できるりーダーを育成」とか「クリエイティブな人を育成とか」いっても難しいのではないかということ。
もっと具体的に言えば、「アクティブラーニング」とか「プログラミング教育導入」といった新しい取り組みもブレーキを踏みながらアクセルを踏むといったことになりかねないということです。

片方で思考停止にさせておいて、片方で自分の頭で考えろと言っているわけですから。

私は、「前へならえ」「右むけ右」を繰り返すような教育は止めるべきだと思います。しかし産業界の要請があり、ほとんどの学校や大人がそれがおかしいことと思っていない。しかも為政者にとってもそれが好都合であるので、止めるのは現状では難しいというところでしょう。

余談になりますが、為政者や産業界の方も、「前へならへ」「右向け右」を繰り返すような教育を続けていれば次世代の日本や世界を担えるような人材が出現してこない。
そのため現在回っているシステムがいずれ破綻することは薄々気が付いているのでしょう。
しかし、現在の仕組みがあまりに都合よく回っているので、なかなか変える踏ん切りがつかないといったところでしょうか。

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●それではどうしていったらよいのでしょうか。

現在、多くの人が疑問を持たずに回っている仕組みですので、その仕組みを変えるのは簡単ではありません。視点としては自分の子供をどうやって守るか(自衛するか)ということ。
社会や教育をどう変えて行ったらよいかという2つの面があると思います。

①学校にやめるように言う
「前ヘならへ」「右むけ右」をやめるように学校に抗議しても、学校関係者にそもそも問題だという認識はないでしょうから何を言われているか理解できないでしょう。またそれは自分たちの裁量外の問題だからそんなことを言われても対処のしようがないというところでしょう。
ほとんどの大人もそれが問題だとは思っていませんので他の親の賛同も得にくいでしょう。逆に「変人」とか「わけのわからないことを言っている人」と思われるだけで効果は期待できないでしょう。

変人と思われてもかまわないかもしれませんがその後の子供と教師との関係も考えながら慎重に判断する必要があるでしょう。

②自分の子供は「前へならえ」をする学校に入れない。転校させる。
可能であればそうすることが望ましいでしょう。でもそのような学校は一部でしょうから、できる人は限られるでしょう

③自分の子供には説明しておく
現在小3の息子が小学校に入ったころ聞いてみました。「学校で前へならへとか右向け右とかあるの?」 
(息子) ある
「どうして前へならわなくてはいけないの?」「どうして右をむかなくてはいけないの?」
「前へならうのはいいけど、なぜそれに従うのかよく自分で考えてみよう」

とても小学生の子供に「従うな」と強制することはできないし、する必要もないのですが、まず自分で考えてみようということは伝えてあります。
小3になった現在、彼なりに疑問に思ったり、考える点があるようです。疑問に思ったり、考え続けていれば、何も考えずに従っているわけではなく、ある程度の心の独立は維持できるのでしょう。

④ちょっとずつでも社会に情報発信して、多くの人に考えてもらう

「前ならへ」「右むけ右」の教育に疑問を感じる人が少ないわけですから、とにもかくにもおかしいよなーとか、疑問に感じる人が増えていく必要があるでしょう。そのためには、このような情報を発信していくということです。

現状考えられるのはこんなところです。

①②は現状では難易度が高いのですが、私も自分の子供に説明をしている以上、何もしないわけにはいきません。やはり自分の子供を守るのと同時に、社会への情報発信をする必要もあるのです。こういったブログに書くこともその一環なのです。




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