国の国力を示す数字指標はさまざまある。今回は数字指標はさておいた話。今回の新型コロナウイルスの政府や関係機関の対応能力や関連物資の供給について多くの人が感じたかもしれない、

あれ?日本の実力ってこの程度だったの」という体感。
言い換えれば、日本衰退の体感について書いてみたいと思います。もちろん、体感なのでそう思わない人もいるわけなので、私がそう思ったという話です。

1.コロナ騒動で感じる「あれ?日本の実力ってこの程度だったの?」

①PCR検査。
野党やマスコミや評論家や国際社会から日本のPCR検査が少ないことの指摘や批判が再三なされた。
首相や大臣は、それを受けて検査を増やしていくと発言しつづけたが、結果的にあまり改善されずにそのまま過ぎていった。

細かい事実関係は、さまざまな方が述べているので細かい分析は省きますが、大雑把にどうして、検査数が増えなかったかというと原因は大きく2つの可能性があるのではないでしょうか。

一つ目は、首相や大臣が検査数を増やすと発言しつづけたが、そう言っているだけでしっかり部下に指示をしなかった。
二つ目は、首相や大臣は、検査数を増やすように指示したが、関係する行政機関や関係機関が結局その体制を取ることができなかった。

実際は雲の中ですが、首相や大臣はあれだけ批判されて、検査を増やすと再三発言していて部下に指示をしないというのは考えにくいと思うのです。彼らがどんなに言っても行政機関や関係機関が理由は不明ですがとにかく大量の検査する体制を作ることができなかったということではないでしょうか。

外国ではしっかり検査体制を構築している国もあるのに、日本はこの程度しか検査体制を構築できないのか。なぜだろうと思った方も多いのではないでしょうか。
日本政府の対応についての批判も多いのですが、政府以外もふくめて「日本の実力ってこの程度だったのか?」

②人海戦術の行政手続き。ポンコツ行政システム
・10万円の支給を決めても、人海戦術のため支給に時間がかかり、いつまでたっても届かない。
・10万円の支給。オンライン申請の方が手書き申請より、照合手続きなど行政手続きの手間がかかる。
 (なんのためにオンラインを利用しているのか意味不明)
・マイナンバーカードの暗証番号設定のため役所窓口に人が殺到。
・「雇用助成金」オンライン申請。不具合復旧めどたたず (肝心な時にまともに動かないオンラインシステム)

日本の行政システムはあまりに人海戦術で、言い方は悪いがけっこうポンコツなの
中で働いている人は懸命に業務をこなしていると思うのですが、旧態依然とした人海戦術の行政システムでは業務は進まない。

これは、政府や行政機関、役所、公務員、そして国民も、ITを活用したeガバメント化を進めてこなかったつけが回ってきたとも言える。また野党もeカバメント化に協力してきたのか。反対ばかりしていたのではないかの検証必要でしょう。

「日本の実力ってこの程度だったのか?」

でもよく考えてみると、日本の一人当たりの労働生産性は主要先進国と比べるととても低い。つまり民間の生産性も低いわけなので、役所に限った話ではない。簡単にいったら、他の先進国と比べると役所も民間も旧態依然とした人海戦術のようだ。

③休校したら、ほとんどの公立小中学校で教育が止まってしまった

オンラインでの授業が再開できたのは、一部にとどまり、とにもかくにもオンラインの授業を再開する先進国もあるなかで日本の教育はついていけなかった。
オンライン対応の準備をスピードを上げて進めていなかったつけが回ってきた。「日本の実力ってこの程度だったのか?」

④テレワークしているのに、印鑑を押しに会社に行かなくてはならない

印鑑自体を使用している国は世界の中でも異例。印鑑なしでも世界は動いているので、無くしてしまっても特に問題ないはずだ。(工芸品として残るのでは)しかし、誰も変えようとしなかった。抵抗があったためほっておかれたというところだろう。
ここまていくとジョークに近い。「日本の実力ってこの程度だったのか?」

⑤中国で新型コロナウイルスの感染が広まったら日本の店頭からマスクが消えた

紙マスクの大半を中国からの輸入に頼っていたため、新型コロナウイルスが発生してから日本でも紙マスクの不足が発生した。店頭の行列は記憶に新しい。布マスクなど素材が多様化したこと、国内メーカーの増産もあってゴールデンウイーク以降、少しずつ紙マスクを販売してる店舗が見られるようになってきた。それもあるが、中国からの商品供給が再開されたことも大きいだろう。

今回のマスクの極端な不足は、需要が一気に増加したことが主要因であるが、大半を中国からの輸入に頼っていたことも要因だろう。

同じように、中国の生産活動が止まっていた時期、100円ショップの商品では商品が供給されずに多くの棚が空になっていました。(今は中国の工場が動いているらしく、棚がうまっている)普段は、工場で加工された生活物資、必需品に近いようなものが、どこの国で生産されているかはあまり意識しないかもしれない。
海外からの輸入に依存してる生活物資が多数あり、国内生産だけでは対応できないアイテムが多数あることを再認識したわけだ。「日本の生産の実力ってこの程度だったのか?」
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2.外国からの輸入に頼っている重要品目が多い日本

今回のコロナ騒動で、「日本の実力ってこの程度だったの」と思うことが色々あったわけです。
考えてみると外国に供給を頼っているものが随分多い。日本の経済自体は内需依存型の経済なのですが、輸入している品目が代替えしにくい重要品目が多い。

(ぱっと思いつく。外国に供給を頼っているもの)
・原油やガスなどのエネルギーは言うに及ばず。
・小麦、大豆、トウモロコシといった米以外の主要穀物。
・マスクなどの工場で加工された生活物資
・衣料品はほとんど中国かアセアン諸国だし
・マイクロソフト、グーグル、フェイスブック、ユーチューブ、アマゾン。IT分野の大企業はどれもアメリカだ
・スマホだって、アップルをはじめとして外国製が席巻している
・意外なところでは、医薬品が2018年の日本の輸入総金額82兆円の3.6%約3兆円をしめている。

ちなみに2018年の日本の輸出総額が81兆円で、そのうち自動車、自動車の部品、原動機という自動車関連の品目で23.6%を占めている。自動車関連産業の輸出によってなんとか輸出入の均衡が保たれているといったところだ。自動車関連産業もいつまでもつかは不透明だ。

貿易の均衡が必ず、保たれなくてはいけないということではないのですが、原油などのエネルギー価格が高騰していない。穀物も安値で継続している。中国やアセアンからの生活物資や衣料品も安値のまま維持されている。
これらの生活の基礎となる物資が高騰していない。また特に外国が極端な輸出制限をしていないため、日本の生活水準が維持されているとも言える。

また、過去の蓄えもあるので、なんとなく日本の通貨の価値が維持されているので外国からを物を輸入できているとも言える。

しかし、実際は日本の輸入品目の運命はけっこう外国次第になっているとも言える。原油やガスなどのエネルギー。今は安いがこれも将来どうなるのかわからない。

穀物などの農産品も今は安価で安定供給されているが、たとえば世界のどこかで大きな火山が噴火したとかで、世界的な冷害発生といったことがあれば、どこの国も自国を優先して輸出は絞られるだろう。
ウイルスの世界的な流行も科学者は警告していたが、世界のほとんどの人はさしてリアルにイメージしていたわけではない。同じように世界的な冷害だった十分起こりうる。

中国やアセアンから衣料品の輸入が止まっても、すぐに生活が困ることはないと思う。しかし、日本の通貨価値が下がれば今のような安価で衣料品を入手することは難しくなっていくかもしれない。日々使う生活物資についても、同様に価格が上昇し始めれば生活に直結する。医薬品についても同様だ。
このあたりは、日本の通貨価値がどの程度維持されるかにもかかっている。

GAFAMと言われるアメリカの情報産業大手の株式時価総額が560兆円になったそうだ。とうとう東証一部上場2170社の合計の時価総額を超えた。いきなり、gmailやfacebookが使えなくなるということは無いと思いますが、
近未来の世界は、情報を握ったものが実権を握っていくわけで、日々ネットやスマホから情報が収集されて、GAFAMに集まっているわけだ。まさしく、この分野ではオセロでいうところの四隅をすべて取られて、外堀をすべて埋められて、日本企業はほとんど手も足も出ないといったところだ。
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3.日本が衰退したというより、あまり変わっていない。進歩していないという表現が適切

こう書いてくると、日本経済や社会システムが少しずつ衰退や劣化しているように思えます。しかし、よく考えてみると1990年前後のバブル期に一時的に日本経済の世界の中でインパクトが大きくなったので、それから比べるとなんとなく衰退しているように感じますが、重要な品目が輸入に頼っているのは変わりありませんし、行政システムや教育システムが人海戦術で非生産的な仕組みを内包していることはその当時と変わりがありません。

実は日本経済や社会システムが衰退や劣化してきているというより、もともとその程度でその後あまり変わっていないさして進歩していないというのが、適切な表現に思えます。

こう書いてくると、とても日本に対して悲観的に思えてしまうのですが、そうは言っても、現時点では、まだまだ世界有数の経済大国です。国民の生活水準もよい方であることは間違いありません。
友好関係を維持している国が多く、日本のパスポートがあれば多くの国にビザなしで渡航することもできますから、日本は居心地のよい国の一つではあるのでしょう。

今回のコロナ騒動で、目の当たりした日本社会の遅れている所や弱い点についてどうしていくか、変えていくのかは、日本国民の選択にかかっています。
喉元過ぎれば熱さを忘れるで、元の状態に戻っていくのか、新しい仕組みが作られるのかはよく分かりませんがあまり変化する方向に積極的に動いているようにはみえません。じっとしていたら、そのまま何も変わらずにいられるのではないかと信じているようにも見えます。

4.個人としたらチャンスが大きい状況とも言える

日本社会がどう変わっていくかは、個人ではコントロールしきれませんが、個人がどうするかは個人でコントロールできます。

現在の日本の経済的な豊かさや通貨の強さ、渡航可能な国の数など個人としてはまだまだ日本経済や社会が過去に作ってきた蓄えを有効に活用できる状態であると思います。日本の歴史の中では現在が過去最高に豊かな社会であることは間違いありません。それをどう生かすかは人それぞれということなのでしょう。

生産性が低い社会なのですから、個人としてはちょっとうまくやれば一気に抜け出してしまうチャンスもあるわけです。実際にそういう人もいるわけですし。


子供は親や大人の発言や価値観に影響されがちです。日本経済や社会の先行きに悲観的な見通しを持っている大人の発言を聞いていると子供はそれに影響されるかもしれません。でも同時に、現在の日本は歴史上一番豊かな状態であること。個人としては、その豊かさを有効活用しやすい状況であることは
子供には伝えたほうがよいとおもいます。

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