●「長所」と「短所」って何

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辞書を見てみると、「長所」はすぐれているところ。よいところ。とりえ「短所」は、劣っているところ。不足しているところ。欠点。

それを、物や事に、当てはめる場合もあるし。人に当てはめる場合もあります。

思い出してみると、自分の小学校のときの授業で、自分の「長所」と「短所」を書き出してみようとかやった気がします。

ネットで「長所」「短所」の言葉をキーワード検索すると、就職試験や面接関連のサイトが出てくるので、就職面接の対策として使うようだ。本人が言ったり、思っていたりする「長所」「短所」を聞いて、就職の面接官は実際にそれを信じたり、真に受けて聞いているのかはよくわかりません。

物について長所、短所という言葉を使う場合には、特徴的なある機能を比較して使います。たとえば、トラックの長所は荷物がたくさん載る。 短所は スピードが出ないスポーツカーの長所はスピードが速い。短所は大きな荷物は載らない。いった具合で特徴がわかりやすくなります。

●「長所」「短所」という言葉を人に当てはめる必要が本当にあるのでしょうか。
ましてや、自分の子どもに対して。


私の息子の「短所」が何か。と考えてみたのですが。どうしても浮かびません。

「長所」は何か。と考えてみたのですがこれも実は浮かびません。上げることは、できるかもしれません。しかし、それをする意味を感じません。

あえて上げるとすると、息子が、ここに存在すること自体が「長所」だと思います。自分の子どもについてあえて、「長所」「短所」という言葉を当てはめる必要を感じないのです。

そうは言っても、直した方がよいことはあるのでは。それが短所でしょ。という考えもあるかもしれません。もちろん子供を誘導してあげる必要はあるでしょう。でも、特に短所として親が意識する必要が本当にあるのでしょうか。

子どものここが短所だと、意識すれば意識するほど、短所だと思うことに意識が集中して、強化されて感じられるのではないでしょうか。うちの子どもは、あれができない。これができないといった具合に。そう思えば思うほど、それが気になります。

自分のことで、振り返ってみると、親から「長所」「短所」ということを言われた覚えはありませんし、小さい頃に自分の長所、短所など考えたことも無かったと思います。小さい子供はそんなこと考えませんよね。

学校の中で、自分の「長所」と「短所」を把握して「短所」については直すよう努力するようにとった教育を受けてきた気がします。それは私だけでなく多くの方が経験してきていると思います。それが、知らず知らずの間に、多くの人の意識に染み込んでいるのかも、しれません。

しかし自分の子どもに対して、そのように考える必要は無いのではないかと思います。

苫米地博士は「脳の力を無限に引き出す幼児教育」のなかで次のように述べられています。

(引用開始)
「そもそも備わっているその子だけの個性を、他の子どもと比較したり、
社会的な価値基準のフィルターを通して見てしまうから長所とか短所とかいう
どうでもいい概念も生まれてきます。(中略)

長所を伸ばして、短所をなくそうとしてはいけません。長所に見えることも、
短所に見えることも、どちらもあなたの子どもを形成する大切な個性です。
子どもの個性すべてを、ありのままに受け止めてあげることが、親の愛なのです」
(引用終了)



0歳から5歳の幼児教育
苫米地英人
コグニティブリサーチラボ株式会社
2015-08-30





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